工場撮影をスムーズに進めるために押さえておきたいポイント

製造業の動画制作で最も多いのが、製造現場である工場での撮影です。

製品ができるまでの具体的な流れや各種設備の紹介、品質管理体制や研究開発体制などの紹介がメインになります。
撮影が丸一日・丸二日になることも珍しくないため、事前の準備が当日の撮れ高やクオリティを左右します。

今回は工場撮影をスムーズに進めるための押さえておきたいポイントをご紹介します。

工場撮影までの流れ

工場撮影に入る前にまずは動画制作の流れをおさらいします

工場撮影を含む実写の動画の場合、ざっくりと以下のような流れで進行します。
 

  1. 動画のシナリオを作成する
  2. 上記のシナリオをもとに撮影リストを作成
  3. 撮影現場や関係者に根回し
  4. 撮影当日

1.のシナリオ作成で動画全体の内容や流れを設計し、伝えたいことを明確にします。

シナリオが固まれば、その内容に合わせて必要なカットを洗い出してリストに落とし込み、撮影当日の流れが完成します。

その後は撮影現場や関係者に情報共有し、問題なければ撮影当日を迎えるという流れになります。

ここで重要なのは、撮影日までに「撮影するもの・場所・時間」がすべて決まっているということです。

一部テレビ取材などの例外はあるものの、基本的には事前に準備をした上で臨むため、お客様側・制作者側ともにこの準備がどこまでしっかりできているのかで、撮影の撮れ高(量)やクオリティが変わってきます

工場撮影をスムーズに進めるために(事前準備編)

それでは工場撮影をスムーズに進めるために押さえておきたいポイントをご紹介します。
まずは事前準備編です

撮影内容の周知・共有

まずは撮影の全体像(シナリオや撮影リスト)を関係者に共有いただくことが大切です。

工場撮影では、撮影予定日の工場の生産状況によって撮影順が入れ替わったり、当初予定していたものが撮影できずに他のものに変更になるケースがよくあるため、あらかじめこれらの資料を共有しておくことで、変更があっても柔軟に対応しやすくなります。

また、撮影当日は撮影クルーと一緒に現場をまわる担当者が必要となりますので、どなたが担当されるのかを事前に決めていただくことも重要となります。

案件全体の担当は本社の総務や広報、撮影時の担当は工場総務や工場長と、撮影とそれ以外で担当が別れるケースが多いため、「誰が何をどこまで担当するのか」を明確にしておくことでその後の流れがスムーズになります。

工場の見取り図を制作会社に共有

撮影リストやタイムスケジュールを作る上で、あると大変助かるのが「工場の規模感」がわかる資料です。

(例)
・A工程とB工程は隣のラインなのか、別の建屋なのか
・工場の端から端まで移動するとどの程度の時間がかかるのか
・仮に雨が降った場合、建屋間は濡れずに移動できるのか

撮影において移動にかかる時間は意外と多く、「移動 → セッティング」を繰り返すとそれだけ撮影できる時間が減ってしまいます。

時間を有効活用しながら効率的に進めるためにも、これらの資料があれば無理なく現実的なスケジュール作りが可能になります。

見取り図と聞くと大げさに聞こえますが、工場見学される方向けに案内する工場マップ(フロアマップ)程度のものがあれば十分にイメージができますので、ぜひご支給ください。

撮影対象(場所)の清掃 ※モノ・ヒトを含む

撮影日と撮影内容が決まったら、当日までに撮影場所の清掃が必要になります。

どこまで清掃いただくかは現場判断となりますが、床面や設備・装置の清掃(場合によっては塗装を塗り直したりなど)は時間がかかるため、決まった段階で早めに取り掛かっていただくことをおすすめします。

また、合わせて気をつけたいのが工場で働く方の服装です。
できるだけきれいな状態で撮影を行うためにも以下の点に気をつけてチェックしてみてください。

・ユニフォームの汚れや色落ち
・ヘルメットや靴、手袋などの汚れ
・ユニフォームの下に着るTシャツやトレーナー等の見え方
・髪色やピアスなどの身だしなみ

映像に映る方の服装や身だしなみは意外と目立ちますし、上層部の方が気にされやすい要素でもあるため、事前に周知しておくことが重要です。

近隣の企業・工場・住宅等への周知 ※ドローン撮影の場合

ドローン撮影を行う場合、近隣に周知せずに飛ばしてしまうと思わぬトラブルに発展する可能性があります。

特に自社工場の周囲に企業や工場・住宅などが多い場合は、無用のトラブルを防ぐためにも「●月●日にドローン撮影をします」という旨を、撮影の半月~1ヶ月前をめどに周知しておくのが無難です。

ドローンは手軽にダイナミックな空の画が撮れることが魅力ですが、警戒感を持つ方も少なくないため不測の事態に備えておくことは重要です。

工場撮影をスムーズに進めるために(撮影当日編)

ここからは撮影当日のポイントをご紹介します。

現場に詳しく・意思疎通がスムーズな方を担当者として立てる

撮影当日は、工場側の担当者と一緒に撮影を進行させていきます。
担当者を立てていただく主な理由としては「コニュニケーションの円滑化」「意思決定」です。

撮影を進めていくと、確認点や不明点がいろいろと出てきます。
一例ですが、
・カメラに映り込んでいる余計な備品や工具を取ってもよいか
・機械や設備、車両を動かしてほしい
・作業指示や演技指導をしたい
などです。

また、工場撮影でたまにある光景として、「朝から機械の調子が悪い」「お客様の都合で生産計画が変更になった」などで当初予定していたものが撮影できない事態があります。

このようなイレギュラーに対しても、現場の知識が豊富で意思疎通がスムーズな方が担当者としていらっしゃると、臨機応変に対応しやすくなります。

工場紹介動画の事例

製薬メーカーの工場紹介

会社案内動画を制作する過程で、岡山・群馬・千葉の複数の工場で撮影を実施したこともあり、その撮影データを活用してそれぞれの工場の紹介動画を制作。

それぞれの工場の特徴や製造している製品、完成するまでの流れ(行程)や生産設備、品質管理体制などを紹介。

撮影が難しい箇所についてはイラストやアニメーションを用いてわかりやすくビジュアル化し、情報を補完しています。

オンライン監査も視野に入れた工場紹介動画

薄荷製品を納入した顧客先からの定期監査時に活用すること目的に制作。

監査担当者に対して、工場に入る前に製品製造への理解を深めてもらうために、各製品の製造プロセスや作業内容などを詳しく紹介する製造工程動画をメインとしています。

また、監査以外にも活用ができるように、薄荷製品作りへのこだわりを表現したブランドメッセージ動画、自社の特長を2分程度で紹介するインフォグラフィック動画の3本立てで構成し、営業活動や採用活動などさまざまな場面での利用に対応しています。

工場見学者向けの企業紹介動画

営業用途に特化した工場見学者向けの企業紹介動画

工場見学に来られたお客様に対して、自社の強みをより具体的・専門的に伝えることを目的としたコンテンツです。

工場の生産能力から製造可能な形状や厚み、製造工程や各種設備の紹介、品質管理に対する取り組みなどを盛り込み、お客様に安心感を与え、背中を押すためのツールとして活用されています。

まとめ

メーカーにとって工場は非常に大きな資産であり、
・生産体制や製造の流れ
・保有設備
・独自の技術力やノウハウ
・品質管理体制

などを主にPRされたいという狙いがあります。

自社の資産を「より良く・価値のあるもの」に見せるためにも、撮影にあたって懸念になるものは可能な限り排除しておくことが大切になります。

工場撮影をスムーズに進めるためには、まず事前の準備・根回しは非常に重要なのです。

むしろ撮影に関しては正しいスキルとノウハウがある制作会社が対応することで、そこまでクオリティがブレることはないため、むしろ事前準備が本番と言っても過言ではありません。

会社案内動画や工場紹介動画の窓口を担当される場合は、ぜひこれらのポイントを押さえて準備されてみてください。
また、制作会社を選ぶ上でも、これらのポイントをしっかりと共有してくれる会社を選ぶことが、スムーズな進行や納得のクオリティに繋がります。

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