動画コンテンツを長く・効果的に運用するためのポイントを解説

会社案内や採用、製品紹介、工場紹介などの動画コンテンツは豊富な情報量と多彩な表現方法を併せ持ったユニークな存在として、
特にここ数年でビジネス・プライベートを問わず情報発信手段のメインストリームとして急速に広がっています。

今回はそんな動画コンテンツをできるだけ長く・効果的に運用するための作り方やポイントをご紹介します。

動画コンテンツの運用でよくある問題点

動画コンテンツを運用していく上で、最もよくある問題が「内容が古くなって使えない」というものです。
それも作り直しが必要なほど大きなものではなく、特定の情報が古くなりそれがクリティカルな問題に発展してしまうケースです。

掲載している情報が古くなれば当然更新する必要が出てきますが、
更新に多くの費用がかかってしまう
  ↓
予算を捻出できず、内容が古いままになる
  ↓
結果使われなくなる

というパターンが意外なほど多く存在します。

動画はチラシやリーフレットなどの紙媒体に比べて制作にはまとまった費用と時間がかかるため、これが短期間で使用不要になると費用対効果が極端に落ちてしまい非常にもったいない状態になってしまいます。

このような事態を避けるためにも、制作段階で必要な情報を正しく整理し、長期的に活用することを見据えて設計・構成することが大切になります

動画の費用対効果の考え方

制作したコンテンツの効果測定については、「どれだけ集客したか」「問い合わせに繋がったか」「売上に繋がったか」などさまざまな指標がありますが、特にBtoB業界の場合は意思決定に複数のプロセスが必要になるという関係上、前述のような明快な基準で判断しづらいのが現状です。

BtoB業界では多くの場合、営業や採用・社員教育などの業務を助ける補助ツールとして活用されることから「長く・安定して使い続けられる」ことが求められます。

BtoBの動画はランニングコストで考える

例えば制作費が200万円の動画を制作したとします。
1年しか活用できないと、1ヶ月あたり「16.6万円」
3年活用すると、1ヶ月あたり「5.5万円」
5年活用すると、1ヶ月あたり「3.3万円」

このように活用できる期間が長くなると明確にランニングコストが下がります。
またどこかのタイミングで例えば30万円をかけて更新したとしても、3年使えば「6.4万円」、5年使えば「3.8万円」と長期的に見るとそれほど差がないことがおわかりいただけるかと思います。

このように一定期間でのランニングコストで費用対効果を考えるとイメージしやすく、他の手法との比較検討も容易です。
中小規模メーカーの場合、広報・販促にあまり予算をかけられない会社も多いと思いますが、月に3~5万円の出費であれば十分選択肢にあがるのではないでしょうか。

活用用途を増やして費用対効果アップ

上記のようにランニングコストで考える場合、「使えば使うほどおトク」になります。

最初は営業担当が商談で使うために作った製品紹介動画であっても、「WebサイトやYouTubeチャンネルに掲載する」「採用活動で求職者に見せる」「株主総会の待ち時間で流す」などの使うシチュエーションを増やしていくことで、費用対効果をどんどん高めることができます。

もちろん制作するものによって他の用途で使える/使えないという問題はありますが、使えるのに使わないのはもったいないことです。

長く・効果的に運用できる動画にするために

3年・5年と長く動画を運用することを考えるとどうしても途中で内容が変更になることがあり、これはリスクとして避けられません。
このような事態に備えて「いかに手間や費用をかけずに更新できる」構成にしておくかが重要になりますので、以下にいくつかポイントをご紹介します。

【1】流動的な内容は極力含めない

最もシンプルな答えとしては、内容が頻繁に変わる可能性がある情報は最初から含めずに構成するというものです。
普遍的な内容で構成すれば、リスクを最小限に抑えることが可能です。

しかしながらその反面、内容が当たり障りのないものになってしまい具体性やインパクトに欠けるため、ここまで割り切った構成を採用するケースは稀です。
多くの場合は後述する手段を採用します。

【2】あらかじめ工数を抑えて更新できる構成にする

例えば会社の売上高や拠点数、製品のスペック、導入実績などの「一定期間で更新が見込まれる内容」に関しては、あらかじめ更新しやすい作りで設計します。

修正作業にかかる工数を減らす=そのまま費用を抑えることに繋がるため、長期的な活用を考えると内容にメリハリをつけて構成することが効果的です。

【3】ナレーションでは具体的な内容を読まない

修正作業の多くは、”動画内のテロップ”や”写真の差し替え”及びそれに伴う”ナレーションの撮り直し”で占められています。
例えば「グループ企業30社で構成」や「50種類以上のラインアップを展開」といった具体的な数字をナレーションで読んでしまうと、修正があった際に「動画」+「ナレーション」の両方の対応が必要になってしまい費用がかさみます。

一定期間で変更が見込まれる内容がある場合、
・ナレーションでは「豊富なラインアップを展開」などの曖昧な表現にとどめ、
・動画内テロップで詳細を表記する

と役割分担することで、変更があった際にテロップを修正するだけで済むためコストを抑えられます。

【4】動画をチャプター分けして、変更箇所をひとつにまとめる

会社案内動画や採用動画など動画が複数の要素(事業内容・製造工程・インタビューなど)で構成される場合、変更が見込まれる要素を極力ひとつのチャプターにまとめることも効果的です。

例えば、「業績情報」や「国内外の拠点(営業所・工場など)情報」などは頻繁に変わりやすいため、これらの情報をひとまとめにできる構成を事前に作っておけば、管理しやすく更新の手間も抑えることが可能になります。

 
 
こんな単純なこと!? と思われるかもしませんが、この小さな要素を事前に想定しているかどうかによって後々の使い勝手が大きくかわります。
「良いものを作る」ことはもちろん大切ですが、それをしっかりと使い続けられるかという点もコンテンツを評価する重要な指標のひとつです。

まとめ

動画に限らずコンテンツは実際に使って効果を実感できてこそ意味を持つものです。
せっかくお金と時間と気合を入れて良いものを作っても、短期間で使えないものになっては本末転倒です。

制作会社としては”短いスパンで作り直してくれた方がおいしい”という考え方があることも事実ですが、作ったからにはしっかりと使い倒して「お値段以上の価値があった」と思ってもらえるものが優れたコンテンツだと私たちは考えています。

動画を作るきっかけはさまざまですが、これから検討される方は「具体的な活用のイメージ」や「更新の有無や頻度」なども含めて整理していただけると、より長く効果的に使えるコンテンツ作りに繋げやすいと思います。

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