動画制作にはいくらかかる

企業や団体のプロモーションやリクルート、社員教育などに幅広く活用される動画コンテンツ。

実際に検討を進める上で一番のネックになるのが「どの程度の費用がかかるのか」ということではないでしょうか。

動画はその仕様や作り方によって料金が変動しやすいコンテンツでもあります。

今回は「動画制作費用の相場と失敗しない外注依頼の方法」を詳しくご紹介します。

動画制作の費用・料金相場の一覧表

動画はその仕様や種類、内容、作り方などによって費用が大きく変動します。
比較的多い価格帯は、1本あたり50万円から350万円程度ですが、その内容によって更に安くなることも高くなることもあります。

以下が動画の種類別の大まかな費用です。ご予算取りの参考になさってください。
※撮影やイラスト、3DCGの有無等で変動しますので、あくまで参考としてご確認ください。

企業紹介動画・会社紹介動画 150万円〜350万円
製品・サービス紹介動画 50万円〜150万円
工場紹介動画 100万円〜200万円
マニュアル(How to)動画 50万円〜150万円
展示会・イベント動画 50万円〜100万円
ブランディング動画 100万円〜200万円
研修・安全教育動画 50万円〜150万円
周年式典用動画 50万円〜100万円
インタビュー動画 30万円〜80万円
採用動画 150万円〜300万円
株主総会・投資家説明会用動画 60万円〜150万円

動画制作の費用を左右する構成要素

動画制作の費用を決定づける要因はさまざまなありますが、まずは動画制作の一連の流れ(要素)をご説明します。

動画制作では企画から納品まで、大きくわけて以下のような要素が存在します。

  • 企画構成・進行管理
  • 撮影
  • イラスト制作
  • 3DCG制作
  • 編集
  • MA作業
  • モデル手配、キャスティング
  • 翻訳

すべてが上記のプロセスを辿るわけではありませんが、大抵はこの要素を組み合わせて1本の動画を作っていきます。
各プロセスの詳細は次からご紹介します。

企画構成・進行管理

企画構成では、クライアント様の悩みや課題に合わせて、動画コンテンツの方向性やコンセプト、構成、運用方法などを検討します。

クライアント様への企画提案から始まり、受注後にはシナリオ作成やライティングなどを行います。

企画構成・進行管理 に含まれる要素

企画提案書の作成
各種調査
動画シナリオの作成
ライティング

進行管理はその名の通り、案件のスタートから完成までの一連の流れを管理することを指し、制作全体をコントロールし必要に応じてリスケジュールを行ったりします。

企画構成・進行管理 の費用の目安

費用感としては10万~50万程度が多く、内容・期間に合わせて変動するケースがほとんどです。

したがって制作する動画の規模が大きくなればこの費用も大きくなります。
費用を抑えるために動画の企画やシナリオをクライアント様で担当いただくケースもあります。

撮影

撮影ではクライアント様の会社や工場、研究所などに撮影スタッフを派遣して動画撮影を行います。
多くの場合、ディレクター1名とカメラマン1名(+α)の合計2~3名で実施するのが一般的です。

ディレクターは企画構成で決まったシナリオに沿って撮影すべきものをリスト化して、当日のスケジュール管理やクオリティコントロールを担当。
カメラマンはディレクターの指示に沿って必要なカットを正確に確実に撮影していきます。

撮影前に現場を下見(ロケハン)する場合もありますが、こちらは必須ではなく状況に応じてクライアント様と相談しながら決めていきます。

撮影 に含まれる要素

撮影ディレクション費
撮影技術費
撮影機材費
特種機材費(ドローン、プロンプターなど)
下見(ロケハン) 
など

撮影費用 の目安

1日あたり25~30万程度で、複数日程や遠方の場合は別途追加になります。

基本的には「撮影日数」と「撮影場所」および「特種機材や下見の有無」で費用が決まります
また、撮影場所が遠方になる場合は宿泊費や遠方出張費が別途かかります。

イラスト制作

シナリオの内容に合わせてイラストを作成していくもので、アニメーション動画の制作には欠かせない工程です。

ひとことにイラストと言ってもその範囲は広く、背景も含めた画面すべてを制作するケースもあれば、実写では説明が難しい箇所を補足するアイコンのようなワンポイントのものまでさまざまです。

基本的に制作するイラストの枚数とその作り込み具合で費用が変動します。

イラスト作成費用 の目安

全編がイラストで構成されたアニメーション動画の場合は、平均すると15~30万程度がボリュームゾーンです
説明の補足用にワンポイントで制作する場合は1点あたり5,000~15,000円程度になります。

3DCG制作

外からは見えない機械内部の動きや、アニメーションでは再現が難しい立体的で細かな動きを表現する際に用いられる3DCG。

非常にリアルで複雑な動きを表現できることが魅力ですが、同時に作り込む場合には大きなコストと長い時間が必要になります。

モデリングの種類やテクスチャの質感などの作り込み、前提となる資料や図面の有無によって費用が変動します。

DCG制作 に含まれる要素

モデリング(形を作る)
マテリアル・テクスチャ(質感を与える)
リギング(動きをつける)
レンダリング(書き出す)

3DCG制作費用 の目安

30万円程度から数百万円と変動幅が最も大きい

編集

編集は撮影した動画をつなぎ合わせたり、作成したイラストを動かしたり、特殊効果を施したりして“動”画として完成させていく工程です。

実写動画とアニメーション/3DCG動画によって必要な工程が変わります。

実写動画では、動画の設計図とも言うべき絵コンテや画面デザインを作成し、内容に問題がなければ撮影した素材を編集するという流れになります。

対してアニメーション動画や3DCG動画の場合は、編集するための素材を作る必要があるため、まずイラストを必要カット分作成したり、3DCGのモデリングを作ったりする工程が先にくるという違いがあります。

編集 に含まれる要素

絵コンテ、画面デザイン、テロップ作成
動画編集
画像素材、動画素材の選定 など

編集のボリュームは動画の内容によって異なり、インタビュー動画のように比較的動きが少ないものから、ブランディング動画のように複数のカットを短時間で細かく繋いでいくもの、技術をわかりやすく伝えるために補足説明を追加するものなど、多様なパターンがあります。

上記のように編集は、制作するものの内容や尺によってかかる工数や難易度が変わるため、費用が変動しやすい工程になります。

編集費用 の目安

概ね25万程度がスタートである場合が多く、内容や尺に合わせて変動します。

MA作業

MA作業とは、Multi Audioの略で編集済みの映像にセリフやナレーション・BGM・効果音などを加え、音質やバランスを調整、音の最終仕上げを行って動画に命を吹き込む工程です。

専門の「MAスタジオ」にて、動画の内容や雰囲気に合わせて適切な楽曲を選択し、コンテンツに臨場感や迫力を与えます。

ナレーションについては複数のナレーター候補から1名を選択し、動画の趣旨に沿ったトーンで原稿を読み上げていきます。

その際はお客様にも立ち会ってもらいながら、業界用語やイントネーション等も随時確認しつつ完成に向けて一緒に作り上げていきます。

MA作業 に含まれる要素

BGMの選曲、挿入
動画編集
SEの選曲、挿入

MA作業費用 の目安

BGM・SEが10万~、ナレーター手配・収録が10万~となるケースが多いですが、予算に応じてBGMの曲数を減らしたり、簡易スタジオで収録したりなどを柔軟に対応できます。

モデル手配、キャスティング

製品PRや動画や採用動画、セミナー動画など、必要に応じてモデルやナレーター(アナウンサー)をキャスティングするケースがあります。

基本的にはモデル事務所との契約となり、顔出しの有無や契約期間、露出媒体、競合他社のコンテンツに出演できるかなど、複数の条件で算出されて費用が決まります。

モデル手配、キャスティング費用の目安

契約条件にてかなり変動がありますが、リーズナブルな場合は20万円程度で手配できる場合もあります。

翻訳

動画を英語、中国語、韓国語などの他言語で展開する場合は、ナレーション内容や画面内テロップの翻訳、およびナレーターの手配を行います。

日本語から他言語に翻訳すると文字量が多くなってしまい、動画尺に収まらないという事態が発生するため、日本語の尺に合うようにうまく意訳しながら翻訳をかけていきます。

ナレーション収録では、ネイティブのナレーターと通訳スタッフが同席するため、日本語と同じように収録することが可能です。

費用については基本的に翻訳する文字数で決まりますが、ローカルな言語だった場合は費用が高くなったり、対応が難しかったりするため事前に確認が必要です。

用途別・目的別の動画制作費用・料金相場

ここからは動画の用途別・目的別に、動画制作費用の相場をご紹介します。

現在ご検討中の動画を中心にご覧いただくと、費用・料金相場のイメージを掴んでいただけるとかと思います。

企業紹介動画・会社紹介動画

制作費用の相場:150万円~350万円程度

事業内容や製造体制、ネットワーク、研究開発、サステナビリティへの取り組みなど、企業としての特長や強みをわかりやすく伝える企業紹介動画・会社紹介動画。

顧客や取引先、投資家、株主、求職者などの幅広いステークホルダーに対して、自社の特長をざっくりと理解してもらうことが主な狙いです。

自社の事業や理念、沿革、体制などを幅広く紹介するものが多いことから、どんな業種でも活用することができ、はじめて制作する動画コンテンツとしてもおすすめです。

制作事例

手術で使用するステンレス製の縫合針や眼科用ナイフなどで世界的に高いシェアを誇る医療機器メーカーの企業紹介動画
「世界一の品質を世界のすみずみへ」という基本方針と自社の強み、注力する3つの領域を3分程度にまとめています。制作にあたっては日本とベトナムの工場・研究所で撮影を実施しました。
日本語以外に英語、中国語、ドイツ語など合計9言語に展開し、グローバルに幅広く活用されています。

製品・サービス紹介動画

制作費用の相場:50万円~150万円程度

製品やサービスの特長やメリット、使い方、導入の流れなどをまとめて紹介する製品・サービス紹介動画。

有形製品はもちろん、システムや保険といった無形製品との相性も非常に良く、また短時間でわかりやすく伝えられることから、「認知拡大」や「販売促進」に役立つコンテンツです。

制作事例

膜の特性を活かした新しい常設点検足場の紹介動画。
橋梁のメンテナンスに関する現状や製品のメリット、特筆すべき機能、エビデンスなどを5分程度にまとめました。動画撮影が難しいこともあって全体をイラストと3DCGを使って構成。
撮影が可能な耐久試験や性能試験は動画を使うなど、さまざまな表現を使い分けてわかりすさを担保しています。

工場紹介動画

制作費用の相場:100万円~200万円程度

主に自社工場の製造工程や製造技術、導入している設備、そこで働く社員の方々、そして企業文化をビジュアルで伝えられるツールです。

工場見学で来場された方だけでなく、来場が難しい遠方のお客様に向けたバーチャル工場見学のツールとしても活用可能で、説明にかかる負担を軽減しつつと訴求力を高めることが可能です。

制作事例

製薬メーカーの工場紹介
会社案内動画を制作する過程で、岡山・群馬・千葉の複数の工場で撮影を実施したこともあり、その撮影データを活用してそれぞれの工場の紹介動画を制作。
それぞれの工場の特徴や製造している製品、完成するまでの流れ(行程)や生産設備、品質管理体制などを紹介。
撮影が難しい箇所についてはイラストやアニメーションを用いてわかりやすくビジュアル化し、情報を補完しています。

マニュアル(How to)動画

制作費用の相場:50万円~150万円程度

お客様向けの「取扱い説明」「トラブルシューティング」、販売店・施工業者向けの「施工マニュアル」、社員・従業員向けの「安全教育」「技術研修」などを正確にわかりやすく伝えられるのがマニュアル(How to)動画です。

サービス・商品の購入前に、使用するイメージを具体的にできたり、購入後の顧客満足度を高めたりする効果があります。

制作事例

太陽光発電システムを一般家庭に導入した際、エンドユーザー様からの問合せのうち「停電になったらどうしらいいいか?」というものが多いとのことで、そういう状況をふまえ停電時にそなえて事前に設定方法などをお知らせする動画コンテンツとして企画・制作しました。
視聴者は一般消費者様となるため、やさしいトーンのグラフィックによるアニメーション動画の手法を採用しました。
完成後、YouTubeチャンネルに公開しログを分析すると、自然災害の多かった月に再生数が増加するなど一定の効果がみられ、またコールセンターへの問合せ内容に質的改善(動画をあらかじめ見た上で問合せる等)がみられました。

展示会・イベント動画

制作費用の相場:50万円~100万円程度

展示会・イベント動画は営業目的のイベントでの使用を想定した動画コンテンツです。

製品・サービスの拡販を目的に、自社の製品やサービスをより多くの来場者にPRし、「見込み客を増やす」「営業先を増やす」ことに繋げること。

マーケットの声収集を目的に、開発中の製品やサービス、新しい技術などを発表して来場者のリアルな声を収集し、「方向性の確認」や「新たな活用方法の模索」「製品化への道筋」などを確認するのに役立ちます。

制作事例

展示会会場では自社も含めて「施工動画」ばかりを流しているため、全体的に無個性でインパクトに欠ける状態になっていました。そのため「自社がどんな会社かをおおまかに理解してもらう」「強みはわかりやすい数字で解説する」ことを目標として、短時間でまとめられて、表現方法も多彩なインフォグラフィック形式を採用。
展示会はもちろん、採用活動などの他用途でも活用できる汎用的なツールとなりました。

ブランディング動画

制作費用の相場:100万円~200万円程度

企業の理念やビジョン、製品やサービスの特徴、利用シーンなどをわかりやすく見える化して、ステークホルダーとの繋がりを強め共感を生むことがブランディングの目的です。

製品・サービスの良し悪しや価格なども重要なファクターである一方、同時に企業の姿勢やこだわりも合わせて伝えることで、自社のファンとなってもらえる可能性が高まります。

動画はその性質上、情緒的な価値を伝えることも得意なため、他の媒体よりもメッセージを伝えやすく、魅力をより伝えやすくなることがポイントです。

制作事例

「ビジョン」「事業・沿革」「強み・風土」「SDGs」「社員メッセージ」の5つのパートで構成。
製品や製造工程の説明的なコンテンツではなく、企業としての考えや想いを伝えることに重点をおいて制作しました。
ビジョンや想いなどは、グラフィックで補完しています。おもに株主総会、工場見学会、採用活動などで活用いただいています。

研修・安全教育動画

制作費用の相場:50万円~150万円程度

ものづくりの現場を中心に、技術やノウハウの継承が課題となっています。
「自社ならではの強み」を次世代へ正しく伝えることはもちろん、安全意識の向上や作業の効率化など、常に改善し続けなければいけない領域でもあります。

さまざまなバックボーンを持つ人が集まる組織の中で、できるだけ多くの人に、正しくわかりやすく伝えるためには、動画の持つ情報量の多さとわかりやすさは大きな強みです。

例えば言葉が通じない状態でも、動きは万国共通であるため「見て覚える・理解する」ことが容易に行えます。

制作事例

若手から役員クラスまで、社員1万人に向けたDX推進研修動画
デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを「知ってもらう」「触れてもらう」ことを目的として制作。できるだけ堅苦しさや小難しいイメージを排除するために、あえてポリゴンの少ないロボットをアバターとして使ったり、ナレーションにロボット音声を使ったりなど、気に留めてもらえるような仕掛けを盛り込みながら親近感を高めています。

周年式典用動画

制作費用の相場:50万円~100万円程度

30周年、50周年、100周年など企業や団体の節目で実施される周年式典。

今までの軌跡を振り返ったり、次の50年・100年に向けたビジョンを共有したり、社員やその家族、取引先に感謝を伝える場であったりと、さまざまな表情があります。

動画は表現の幅が広く、参加者が同じ体験を共有できるという強みも相まって、式典のオープニングや社員・関係者のインタビューなど活躍の場が多い定番のコンテンツとなっています。

制作事例

コンセプト編と沿革篇の2本組として構成。コンセプト編は旗艦工場での実写撮影を中心に制作。
歴史の重み、製造している立旋盤の巨大さや精密感をテーマに、イメージシーンとドローン撮影を軸に重厚感のある印象的な動画となりました。

インタビュー動画

制作費用の相場:30万円~80万円程度

世の中に存在するさまざまな製品やサービス、技術は「人」が作り出していて、それを検討する・導入するのもまた「人」です。

どのような想いで製品やサービスが作られたのか、どのような点に惹かれて入社を決めたのかなどを自分自身の言葉で語ってもらうことで見ている人にリアリティーや納得感を感じてもらうことができ、親近感も生まれます。

インタビューだけだと単調な印象になっていまいますが、業務シーンや製品・サービス紹介の合間にインタビューをはさむことでテンポのよい映像にしあがります。

採用動画

制作費用の相場:150万円~300万円程度

新卒・中途に限らず求職者は複数の企業をチェックし、その中からエントリーを重ねるという性質上、いち早く求職者の印象に残すことが重要となります。

また、若い世代の場合YouTubeやSNSの影響もあって「調べる=動画」となっているケースも多く、紙媒体やWebサイトだけではあまり目を通してくれないという課題もあり、動画コンテンツの中でも特に需要の多い用途となっています。

制作事例

会社の概要、社会と製品の関わり、製造の流れなどを端的に伝える採用動画。
「世界をはこぶ、明日へはこぶ」を採用活動におけるブランドメッセージとして企画立案。映像単体での訴求ではなく、採用パンフレット、タペストリーなどにもメディアミックスで展開することで、より効果的な採用ブランディング確立を目指しました。
ターゲットである学生に端的に伝えるため、カジュアルなグラフィックも多用し、会社説明会や工場見学会、WEBサイトなどさまざまなシチュエーションでご活用いただいています。

株主総会・投資家説明会用動画

制作費用の相場:60万円~150万円程度

企業活動の広報・IRとしてはアニュアルレポートがありますが、求められる課題やそれに対する企業の取り組みも多様化しています。

同時に情報発信のあり方も変わってきており、最近では株主総会を動画配信形式にしたり、総会当日のようすを撮影して後日公開するといったケースも増えてきました。

情報量が多く、わかりやすく、短時間で訴求できる動画は企業側、株主・投資家の双方の負担を減らし、効率的な情報発信・情報収集に貢献できます。

制作事例

「今期で特に大きな投資を行ったトピックス」をテーマに、毎年特に大きな動きがあったテーマを取り上げて株主や投資家に紹介。
株主総会までの短い時間で仕上げる必要があるため、基本的には写真やクライアント様からご提供いただいた動画を活用。
プレスリリースや業界新聞、社内報の記事などをもとに内容をまとめることで、クオリティと制作期間を担保しています。フォーマットを事前に定めておくことで、毎年新しい情報を効率的に訴求できます。

動画制作にかかる費用を抑えるポイント

動画制作に限らず内容をリッチにすればするほどお金がかかります。
反対にクオリティに妥協すれば費用を抑えることができます。

しかしながら「できる限り出費を抑えて良いものを作りたい」思うのも人の常です。
ここからはクオリティ極端に落とすことなく、制作費用を抑えるためのポイントをご紹介します。

  • 必要な素材を提供する
  • 自社の要望を明確にする
  • 撮影日数を少なく抑える
  • 動画の尺を短くする
  • 表現方法を1つに絞る

必要な素材を提供する

動画制作にあたって必要となる素材は、制作会社で作るか(もしくは購入)、クライアント様から支給いただくかのどちらかになります。

素材を1からすべて作るよりも、すでに利用しているものがあれば提供してもらった方が工数が少なくなってコストを抑えられます

ただ、素材を1から作ることで、制作する動画のイメージやトーン&マナーに合わせやすいというメリットも存在するため、自社が持っている素材をそのまま使うのか、動画に合わせて新たに作り直すのかを見極める必要があります。

自社の要望を明確にする

動画制作に関する自社の要望や目的を明確にしておくことも非常に重要です。

あらかじめ要望が明確になっていれば企画提案の方向性が定まりやすく、内容が明確になります。

反対に要望が不明瞭だと提案そのものがふわっとした大まかなものになってしまい、認識やイメージの齟齬が起きやすくなります。

また、ある程度作った上で「こうではない」と振り出しに戻ってしまうと、余計なコストが発生するだけでなく時間も無駄にしてしまいます。

依頼前にまずは動画制作の目的を明確にして、社内の意見をある程度出し切っておくことも必要です。

撮影日数を少なく抑える

実写撮影の場合は、撮影日数をできるだけ少なく抑えることもポイントのひとつです。

撮影ではディレクションや撮影技術費、機材費などが1日単位で発生するため、撮影日数が少なくなればその分コストを抑えられます

確実に撮らないといけないものをリストアップした結果、複数日になってしまうのは仕方ありませんが、実際のところ「念のため撮っておこう」「特に必要ではないけど後から何か言われたら嫌だからついでに撮っておきたい」というケースもそれなりに存在します。

また、撮影場所が遠方になると前泊や後泊が必要になって追加のコストが発生するため、こちらも調整可能なら日帰り圏内の撮影場所に変更することも有効です。

動画の尺を短くする

動画制作費用・料金を抑える上で比較的取り組みやすいのは、動画の尺を短くすることです。

一概には言えないものの、一般的に動画の尺が長ければ長いほどその分編集にかかる工数が大きくなるため、制作費用が高くなる傾向にあります。

例えば、3分の動画と10分の動画では編集にかかる手間がかなり変わるため、全体を簡潔にまとめられる方が費用を抑えられるだけでなく、見る人の負担も抑えて伝わりやすくなります。

表現方法を1つに絞る

動画には実写・アニメーション・3DCGとさまざまな表現があり、うまく活用することで伝わる力をぐっと高めることができます。

しかしながら表現手法を増やすとその分コストも上がってしまいます(特に3DCGは大きく変動する可能性大)

費用を抑えつつクオリティを担保したい場合は、表現方法の多彩さにこだわるのではなく、表現方法を絞って編集に力を入れるほうがコストパフォーマンスが高いケースもあるため注意です。

動画制作を依頼する場合の流れと気をつけたいポイント

動画制作を制作会社に依頼する場合、内容にもよりますが完成まで1~3ヶ月程度かかります。

※制作会社に依頼するか、フリーランス(個人)に依頼するかによっても多少異なります。

比較的長いプロセスになるため、完成までどのような流れがあって、何をしなければならないのかを把握しておくことは重要になります。

自社の思った通り・思った以上のコンテンツに仕上げるためにも、制作会社との効果的なコミュニケーションは欠かせません。
ここからは動画制作を依頼する際の流れと気をつけておきたいポイントをご紹介します

  • 事前準備
  • お問い合わせ
  • 初回ヒアリング
  • 企画提案・見積もり
  • 発注
  • 動画シナリオ作成
  • 画面デザイン(絵コンテ)作成
  • 撮影
  • 動画編集
  • MA作業(ナレーション・BGM)
  • 納品

事前準備

制作会社に問い合わせする前にやっておきたいのは動画制作の「目的」「予算」「納期」を明確にすることです。

特に目的は、その内容によって動画の構成や表現も大きく変わってしまうため、目的が曖昧であったりズレていたりすると、ピントが外れた動画になりかねません。

はじめて動画制作を行う場合、これらすべてを明確にすることは難しいかもしれませんが、目的と納期に関してはある程度具体的にイメージした上で相談するとその後の流れがクリアになるためオススメです。

「目的」…製品の販売促進、企業のブランドイメージの浸透、求職者に対する自社の認知や理解 など
「予算」…100万以内におさめたい、具体的な予算はないが300万を超えると難しい など
「納期」…上半期中に作りたい、2ヶ月後の展示会で流したい など

お問い合わせ

動画制作の目的、予算、納期が明確になったら制作会社に問い合わせを行います。

問い合わせする内容が具体的だと制作会社からの回答も具体的になるため、可能な限り具体的に伝えましょう

また問い合わせした際の対応のスピードや丁寧さなどを確認しておくのもひとつだと思います。

初回ヒアリング

一般的に制作会社に問い合わせした後は、営業担当から電話やメールで連絡があります。

電話やメールで簡単に済むケースもあれば、Webミーティングや対面打ち合わせ等で話を聞かせてくださいというケースもあります。

事前準備で整理した情報を伝え、制作会社でヒアリングシートを用意している場合はそちらに記入しましょう。
完成イメージと近い動画があればそのURLを送ることも非常に有効です。

制作会社はこのヒアリング内容から企画提案や見積もりを作成するため、必要な要件や希望・要望などは可能な限り詳しく伝えるようにしてください。

企画提案・見積もり

ヒアリングした内容を元に、制作する動画の方向性やコンセプト、具体的な構成、費用感などが提示されます。

複数の制作会社に声をかけている場合は、各社の提案が出揃い比較検討していく流れとなります。

ヒアリングや調査を通じて「自社をどの程度理解してくれているか」「提案内容が課題や悩みを解決するものになっているか」を費用感を含めてチェックしましょう。

提案内容はこの後制作する動画の骨子となるため、慎重に検討しましょう。

発注

提案内容に同意したら依頼する制作会社に正式に発注します。

動画制作を進める上では、シナリオ作成や修正等で双方のコミュニケーションが頻繁に発生するため、担当者との相性も実は重要になります。

提案内容の質や見積もりの妥当性はもちろんですが、今後のやり取りを踏まえて「担当者とストレスなくコミュニケーションが取れるか」「こちらの意図を正確に汲み取ってくれるか」という点でも見極めることをおすすめします。

動画シナリオ作成

企画提案のコンセプトを元に動画のシナリオを作成します。

このシナリオは多くの場合、動画のナレーションと同義であり、実際にナレーターが読み上げるものになります。

この時点では画面の情報はほぼないためイメージが難しいかもしれませんが、シナリオは動画全体の設計図です。

このシナリオをベースに撮影を進めたり、イラストを作成したりと次のステップへと展開していくため、内容をしっかりと確認し疑問点などがあれば早めに解決しておくことが必要です。

画面デザイン(絵コンテ)作成

シナリオが固まったら絵コンテ作成に移り、各シーンを目に見える形に具現化していきます。

どのシーンに・どんな内容が入るのかが明確になるため、撮影する場所や出演する人などに、あらかじめ撮影に向けた根回しなどを並行して進めていくことも撮影を円滑に進めるためには大切です。

なお、アニメーション動画(インフォグラフィック動画)の場合はシナリオが最も重要になります。

実写の場合は撮影した映像に対してナレーションがつくため、編集にある程度の自由度があり、状況によってはシナリオを後から変更することも可能です。

対してアニメーション動画は
①シナリオをベースにイラストを描きあげ
②描きあげたイラストを動かす
という形になるため、シナリオが変わればイラストを描き直さなければなりません。

そうなった場合、工数・費用の両面で大きく変動してしまうため、後から変更が発生しないよう社内でしっかりと共有・意識合わせを行っていただく必要があります。

撮影

シナリオ・絵コンテで動画の内容が具体的にまとまったら次は撮影です。

撮影するモノや場所、当日のタイムスケジュール、キャスティングなどは事前に撮影リストを作り、関係者へ共有します。

撮影はプロが行いますが、撮影を行うまでの撮影現場とのやり取りや社内での根回しなど、入念な準備が必要です。

当日撮影がスムーズに進むかはこの事前準備にかかっているため、制作会社と連携しながら効率的にやり取りしていきます。

撮影当日はあらかじめ用意した撮影リストをもとに必要なカットを押さえていきます。

撮り漏れはもちろん、不要なものが映り込んでいないか、被写体の身だしなみが正しいかなどなどチェックすべき点はたくさんあります。

機械や設備のトラブルや当日の急な状況の変化などによって、撮影リスト通りに進まないケースも多々あるため、臨機応変に対応しながら撮影を進めることが大切です。

動画編集

撮影が無事に終了したら、次は各シーンで撮影した素材を1つの映像にまとめる編集作業に進みます。

不要な場面を削除してシーンをつないだり、テロップを入れたり、シーンによっては動画素材や画像素材を挿入したり、図や表を入れたりしながら、誰が見てもわかりやすい動画を作り上げていきます。

アニメーション動画の場合も、作成したイラストをこの段階で動かしていきます。

ナレーションに合わせて、タイミングやテンポを図りながら動画の完成度を高めていきます。

必要な要素を大まかにつなぐ「仮編集」で全体を確認し、その後はシーンの緻密なカット割りやさまざまなエフェクトを加える「本編集」を経て、”動”画として完成させていきます。

MA作業(ナレーション・BGM)

編集した動画を確認しOKが出たら最後にナレーション収録と音入れ作業です。

収録や音入れ作業は基本的にMA(Multi Audio)スタジオで行い、動画の内容や役割に合わせて最適なBGMとSE(効果音)をMIXします。

ナレーションについてはプロのナレーターによる収録にお客様にも立ち会ってもらい、声のトーンや専門用語の読み方、イントネーションなど、細かな点を確認しながら進めていきます

制作途中の仮のBGMやナレーションでもある程度のまとまりは感じられるのですが、最終的に仕上げられた音声をMIXすることで、作品の完成度はグッと高まります。

納品

編集した動画と収録した音声データを合体させて書き出し、最終チェックの上、完成データとして納品します。

近年はデータ形式で納品するケースがほとんどですが、DVDやブルーレイディスクなどのメディアにて納品することも可能です。

動画制作会社の選び方とポイント

動画制作に関する流れを理解したところで、次は制作会社選びです。

動画制作会社は世の中に無数にあり、どんな基準で選ぶべきか迷う方も多いのではないかと思います。

ここでは失敗しない制作会社の選び方とそのポイントをお伝えします。

どの程度の制作実績があるか

制作実績は制作会社の実力をはかる基準のひとつです。

実績が豊富であればノウハウも豊富であることが多く、課題解決の提案や制作物のクオリティにも期待が持てます。

特にこだわりがなければ実績の豊富な制作会社をピックアップしましょう。

チェックしたいポイント

  • 具体的な実績数や実績企業
  • 制作物のクオリティ
  • 最近の実績があるか、もしくは継続的に実績が更新されているか

自社と同じ(もしくは近い)業界での実績はあるか

制作会社にはそれぞれ得意なフィールドが存在します。(BtoBが得意、美容系が得意、IT系に特化など)

自社とおなじ(もしくは近い)業界の実績が豊富な制作会社であれば、業界の慣習や撮影のやり方などを熟知しており、よりスムーズにやり取りを進められるようになります。

実績数や大手企業の有無も重要ですが、同時に制作会社の得意分野を見極めることも必要です

チェックしたいポイント

  • 制作会社の得意分野は何か
  • 自社と同じ(もしくは近い)業界の実績がどの程度あるか
  • 業界に特化した知識やノウハウを持っているか

直接会える、もしくは困ったときにすぐに相談できる人員がいるか

制作会社によっては営業人員がおらず、ディレクターやクリエイターとメールや電話のみでやり取りするケースも少なくありません。

特に初めての動画制作であればわからないことなどもたくさん出てくるため、その際にやり取りしやすい窓口担当者がいると安心して進めることが可能です。

対面であれ、Web上であれ、気軽に相談できる担当者がいる制作会社を選定することをおすすめします。

チェックしたいポイント

  • 営業人員の有無
  • 相談・打ち合わせの形式(対面、Web、電話、メールなど)
  • 担当者が主導で動いてくれるか、不安感がないか

自社の現場や課題に沿った提案をしてくれるか

制作する動画コンテンツの質を左右するのは「企画内容」です。

セールスからリクルート、ブランディングまで、自社が抱えている課題や困り事をどのように解決するのか。

制作会社の提案書をチェックする際にはその点をしっかりと確認して「自社のことを理解してくれている」会社を選ぶことが大変重要です。

チェックしたいポイント

  • 自社の特長や強みをきちんと理解しているか
  • 課題や目的に沿った提案内容になっているか
  • 担当者の熱意を感じられるか

価格と内容のバランスが良いか

見積もりを取った際に他社と比較して、費用が極端に安い・高い制作会社は「外注比率が高い」「スタッフが少なく柔軟な対応ができない」などのリスクがあります。

制作体制に依頼する際には、あらかじめその体制や人員などを確認して、価格に対してバランスが取れた会社を選ぶことで、リスクを抑えつつクオリティも高めることが可能です。

動画制作の相場に関してよくある質問

動画制作費用の相場に関して、よくあるご質問にお答えします。

Q.動画制作の予算相場は?

BtoB業界における動画制作の場合、概ね50万円~350万円程度がボリュームゾーンです。

もちろん内容によって安くできるケースもあれば、大幅に高くなってしまうケースもあります。

制作する動画の種類・用途別の制作費用に関しては、
上記の「動画制作の費用・料金相場の一覧表」にまとめていますのでご確認ください。
※あくまで参考費用としてご認識ください。

Q.なぜ制作費用は企業によって違うの?

制作会社にはそれぞれ得意分野があり、何をどこまでやるのかの前提が制作会社によって異なります

企画から撮影、編集まで一貫して手厚くサポートする制作会社もあれば、価格を抑えて制作するためにあくまで撮影や編集のみに特化した制作会社もあります。

また、社内の体制や人材の有無、外注比率などによっても変わってきます。

そのため見積もりを単純に横並びで比較することは難しく、企画面や制作進行管理、サポート面などを総合的に考えて判断する必要があります。

初めての動画制作であれば、企画から納品まで一気通貫でお任せできる制作会社が一番失敗しづらいです

反対に動画制作の経験が豊富で、クオリティコントロールが可能なスタッフが自社内にいる場合は、撮影・編集のみのリーズナブルな制作会社を使うこともひとつだと思います。

Q.「動画制作会社」か「個人(フリーランス)」どちらへ依頼すると安い?

制作費用の面だけでいえば、個人(フリーランス)の方に依頼するほうが安くできます。

ただ、ひとりで取り組まれている分、当然さまざまなリスクがあります。

そのリスクを折り込み、クオリティコントロールもできる方であれば、費用を抑えつつある程度のクオリティも担保できるでしょう。

はじめて動画制作をするケースや、制作進行管理にそれほど自社スタッフの工数を割けない場合は、素直に動画制作会社に依頼するのが安心です。

Q.動画制作費用を抑える方法は?

動画制作ではクオリティに直結する費用の抑え方と、比較的クオリティに影響しづらい費用の抑え方があります。

比較的クオリティに影響与えない範囲で費用を抑える方法として、
上記の「動画制作にかかる費用を抑えるポイント」にまとめていますのでご確認ください。

動画制作費用の相場に関するまとめ

「動画を検討したいけど、どのぐらいの費用がかかるかわからない」という声をよくお聞きします。

動画は制作する内容やその作り込み具合、制作期間などによって費用が変動しやすく、見積もり結果もバラバラになりがちです。

動画にはどのような構成要素があり、どのような流れで制作を進めていくのかを理解しておけば、各社の提案と見積もりを比較検討しやすくなるだけでなく、制作会社の「得意分野」や「できること・できないこと」を把握しやすくなります。

動画制作費用の仕組みを正しく理解して、価格とクオリティのバランスが取れた動画コンテンツの制作を行いましょう。

わたしたち株式会社エルモは、製造業や製薬・医療機器メーカーを中心に500社以上の動画制作実績があります。
販促PRから採用活動、ブランディング、社内の技術継承、安全教育、周年式典にいたるまでBtoB取引におけるあらゆる用途の動画を制作しています。
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