SDGsや脱炭素化への取組みを効果的にPRするためには

2020年10月、政府より「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」カーボンニュートラルの宣言が出されて以降、産業界(特に自動車業界)を中心としてこの「カーボンニュートラル」「ゼロカーボン」というキーワードを聞く機会が増えてきました。

本業以外の情報発信の重要度が高まっている

製造業の主な情報発信と言えば、自社の製品やサービスのPR、製造体制や設備の紹介、アフターフォローやメンテナンス情報の発信、求職者向けの会社紹介などが挙げられます。

また、本業以外の「人」「社会」「環境」への取り組みとして、人材教育や人道支援、地域振興・コミュニティの活性化、環境対策などのトピックスを紹介するケースもありました。

以前はこれらを「CSR(企業の社会的責任)」「サステナビリティ(持続可能性)」といった切り口で紹介するケースが多かったのですが、上記に加えてダイバーシティなどのさまざまなテーマを内包した「SDGs(持続可能な開発目標)」が登場してからは、大企業を中心にこのSGDsを切り口とした情報発信の重要度が高まっています。

さらに冒頭で触れた「カーボンニュートラル」が加わることで、企業は本業と同じぐらいこの「経済・環境・社会」への取り組みをわかりやすく正確に発信しなければいけなくなっており、特に上場企業は投資家や株主への説明責任があることからその傾向が顕著です。

そのためこれらの取り組みを効果的・効率的に伝える手段が求められています。

発信する情報の種類によって伝え方、伝わりやすさが異なる

SDGsやカーボンニュートラルへの取り組みを伝えるにあたって、押さえておくべきポイントがあります。

それは「実績がある」か「実績がない(今後取り組み予定)」の2つで、このどちらに当てはまるかによって伝わりやすさやその伝え方(手法)が変わってきます。

「実績のある」取り組みの場合

こちらは例えば、下記のようなケースです

工場や倉庫の屋根に太陽光パネルを取り付けた
製造ラインの中に新たにCO2を回収できる装置を組み込んだ
近隣住民向けの工場見学や安全対策説明を行った

これらは実際に“行われた”ものであり、写真や動画として記録しておくことで誰もがひと目で内容を理解することができます。

コンテンツ化するにしても撮影した写真や動画を編集すればいいため、比較的シンプルで手間や費用を抑えて制作することが可能です。
従来は上記のような実績ベースでの情報発信が多かったため、それほど困ることはありませんでした。

「実績がない(今後予定)」取り組みの場合

近年になって必要性が高まってきたのがこちらのパターンです。

SDGsやカーボンニュートラルなどの指標は「中長期」にわたって展開されるものが多く、すぐに実績として写真や動画などの目に見える形でお披露目できるものではありません。

むしろ状況的にはこれから2030年、2050年の未来に向けて「どのように取り組むか」のロードマップを示すものであり、現段階ではまだスタートしていない(もしくは部分的にスタートした)ものが多く「実績がないものをどう理解してもらうか」が課題になってきます。

現在これらの環境・社会への取り組みは、国内・国外を問わずステークホルダーの関心度が高い内容となっており、企業イメージやブランドを形成する重要な要素になりつつあります。

伝えるべき内容の粒度に合わせて、より具体的に解説する場合はアニメーションを、大枠の方向性やビジョンを説明する場合は実写ベースのブランディングメッセージを、といった具合に最適な表現を選択する必要があります。

コンテンツ化する場合の種類と方向性について

SDGsやカーボンニュートラルへの取り組みをわかりやすく伝えるにあたって、情報の具体性や内容などによって以下のパターンが考えられます。

( 1 ) 方向性やビジョンを共有する

具体的な計画ではなく「自社がどのような存在でありたいか」「社会にどんな役割を果たすか」など、企業としての大きな方向性やビジョンを示すパターン。

この場合はシナリオとなるメッセージを中心に、そのメッセージを連想させる映像素材や撮影データで構成する実写動画となります。

アルミニウム2次合金メーカーのブランディングメッセージ

 
アルミホイールやアルミサッシなどのアルミ製品を溶かし、不純物を除去して製品化する「アルミニウム二次合金」企業のメッセージ動画
何度でも繰り返し使えるアルミニウムの特性やリサイクルを核とした事業内容など、ビジネスそのものの環境負荷が低く、その上で高品質なものづくりを進めていることをビジュアル化して伝えています。
 

( 2 ) 未来のロードマップを共有する

具体的な道のりは決まっているものの、まだ実績がない、もしくはスタートしたばかりで紹介できるほどの情報がないケースでは、その具体的な道のりをイラストやグラフィックでビジュアル化してステークホルダーに伝えます。

イラストやグラフィックはその特性上、ある程度内容をデフォルメしつつも全体像を見える化することに長けており、具体化しつつも曖昧に表現できる唯一無二の手法です。どうしても中長期的な計画になりやすいカーボンニュートラルにおいては非常に適した表現手法と言えます。

工業炉の脱炭素化に向けたロードマップ動画

 
「工業炉の脱炭素化」を目標に、2050年に向けた具体的な取り組みや流れを紹介するロードマップ動画です。
全体を5つのフェイズにわけ、各フェイズごとの具体的な取り組みを紹介。全編をイラストで構成し、それぞれのアクションを抽象的ながらも見える化することによって、文書や口頭説明では難しい直感的な理解を促しています。

( 3 ) 具体的な実績を共有する

新しい設備の追加や既存設備の改修、イベントの実施など、目に見える形で実績がわかる場合は、撮影した写真や動画をベースにコンテンツ化します。他の手法に比べてあまり時間をかけずに、予算を抑えながら制作できることが特長です。

自社のさまざまな取り組みを紹介

 
地域の子ども向けのイベント開催、体験・学習プログラムの提供、フードバンク支援、植樹活動、学校建設支援など、自社のさまざまな社会貢献活動や環境への取り組みを紹介。
写真をメインに構成することで素材が集めやすく、制作面でも工数や費用を抑えて行うことが可能です。また、更新の際も柔軟に対応しやすいというメリットもあります。


 
 
このように伝えたい内容によって、最適な構成や表現方法は異なります。
特に( 3 ) の実績共有は、素材があれば比較的作りやすく手間もかからないため、これから始めるという場合は、まずこの実績紹介から取り組むのがおすすめです。

まとめ

SDGsやカーボンニュートラルをはじめとする「経済・環境・社会」への取り組みは年々重要性が増してきています。

以前は比較的余裕のある大企業や意識の高い企業の付加価値という側面もありましたが、ステークホルダーの目線が厳しくなってきた現在においては、企業規模や意識の差にかかわらず、積極的に発信すべき情報となっています。

例えしっかりと計画を作り、実行していたとしてもそれが正確に伝わらなければ非常にもったいないことです。
計画段階で発表しなければいけないこれらの取り組みは、製品やサービスの価値訴求とはまた違った難しさがあり、その趣旨に沿った最適な構成や表現を選択する必要があります。

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