パーパスムービーとは?その特徴や制作におけるポイントを解説

ここ2~3年で「パーパス」という言葉がじわりじわりと広がりを見せてきました。
パーパス(Purpose)とは、一言でいうと企業の存在意義を指しますが、ビジネスシーンでは主に企業の社会的な存在価値や社会的意義を意味する言葉として使われることが多く、
企業によっては「ミッション・ビジョン・バリュー」の上位概念として位置づけられています。

そんなパーパスを表現する手段をとして動画を活用されるケースも増えてきており、2021年頃から大企業を中心に公開されはじめました。
今回はパーパス、そしてパーパスムービーの制作におけるポイントや活用事例を解説します。

パーパスとは?ミッション・ビジョン・バリューとの違い

パーパスムービーに入る前に、まずはパーパスについて整理します。

パーパスとは?

パーパスとは本来「目的」と訳される言葉で、企業経営においては企業の「社会的な存在価値」や「社会的意義」を示す言葉として浸透し始めています。

従来から企業の方向性や役割などを示す言葉として「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」がありますが、このパーパスはこれらのMVVの上位概念として位置づけられる(PMVV)ケースもあります。

ミッション・ビジョン・バリューとの違い

パーパスとミッション・ビジョン・バリューを整理すると以下のようになります。

パーパス:企業の社会的な存在意義
ミッション:企業がなすべきこと
ビジョン:企業のあるべき姿
バリュー:企業、社員がやるべきこと

 
このようにパーパスを頂点として従来のMVVが続くという形式が取られることが多く、パーパスムービーはこの企業の「社会的な存在価値」を表現する動画になります。

もちろんこのように厳密に決まっているものばかりではなく、企業理念やミッションをパーパスと位置づけている企業もあるため一概には言えませんが、近年この「パーパス」という概念に注目が集まっています。

なぜパーパスが重要視されはじめているのか?

SDGsやカーボンニュートラルが背景

それではなぜこのパーパスが重要視されはじめているのでしょうか。
そこには近年急速に浸透しはじめた「SDGs」「カーボンニュートラル」の存在があります。

企業の考えやスタンスを示すものとして、ミッションやビジョンの内容を噛み砕き・わかりやすくビジュアル化して伝える「ビジョン動画」や「ブランドメッセージ動画」<があり、従来はこれらがパーパスの側面を担っているような状況でした。  
 
しかしながらCSRに代わる概念として「SDGs」が導入され、ここ最近では「カーボンニュートラル(脱炭素化)」が世界的に注目を浴びるなど、世間一般的にもビジネス的にも外せないキーワードとなってきました。

これらは持続可能性や環境問題にスポットが当てられ、企業の評価軸に新たな要素が加わることになります。

企業のブランド発信の価値基準

このような環境の変化もあって、企業のブランド発信の基準も以下のように変わってきました。

今まで:イノベーションやテクノロジーで、より豊かで便利な社会の創造に貢献する

これから:上記だけでなく、事業による環境負荷を抑え・サステイナブルなビジネスを展開する


今までは付加価値的な取り組みに過ぎなかった環境への対応が、今や前提条件となりつつあり、単にビジネスに関するブランド発信では不十分と言われる状況です。

そこで持続可能な社会を実現するための自社の取り組みを
「わたしたちの未来への約束」=パーパスとして表現されることになりました。

パーパスは急激に変わる事業環境に合わせて作り出された新たな概念と言ってもいいかもしれません。

パーパスムービー制作のポイント

ここからは実際にパーパスムービーを制作する場合のポイントを解説します。

伝えたい内容を明確にする

まず大前提の部分ですが、パーパスのような概念や考えを伝える場合はあらかじめ「何を伝えたいか」を明確にすることが必要です。

事業紹介や製品紹介であれば何となく事実をかき集めて列挙するだけでも形になりますが、パーパスムービーはそれほど簡単ではありません。

「社会に対して何ができるのか」「未来に対する自分たちの役割」などを明確にした上で、見る人に対してどんなメッセージを届けるのか考えていく必要があります。

これらをしっかりと制作会社に伝えておけばシナリオも作りやすくなるため、ある程度精度を高めた状態で制作をスタートすることが可能になります。

見る人に抱いてほしい感情・心情を明確にする

上記の「伝えたい内容を明確にする」とリンクする部分ですが、動画を見た人にどのような印象を抱いてほしいのかを明確にしておくことも大切です。

例えば、
(1)先進的でスマートな印象を持ってほしい
(2)人に寄り添う優しさや安心感を感じてほしい

この2つでは動画の方向性が大きく異なり、完成形のイメージも変わってきます。

(1)の場合は、先進的なテクノロジーやかっこいい印象を与える素材やカットを中心に構成するのに対し、
(2)の場合は、人と人との繋がりや協力して物事を進めることなど、印象的な人を中心に構成することになります。
 
自社のイメージや発信する内容(パーパス)などを踏まえ、動画を見る人に抱いてほしい心情や感情を考えながら構成することで、完成形のイメージを共有しやすくなります。

ある程度余裕をもった予算を確保しておく

パーパスムービーはその性質上、実写の形式が主流です。
自社の未来への約束をメッセージにまとめ、その内容を連想させるようなカットを撮影したり、撮影が難しい部分は動画素材を使いながらビジュアル化していきます。
 
クオリティを高めるためには、できる限り多くの美しく・迫力があって・らしさが伝わるカットや素材が必要になります。
予算を抑えて制作することもできますが、カット数が少ないと迫力がなく・垢抜けない印象になりがちです。

パーパスというふんわりした内容をいかにわかりやすく・印象的に伝えられるかがキモになるため、この動画については使えるカット数がクオリティに直結するといっても過言ではありません。

検討の際はある程度余裕を持って予算を組んでいただくと制作の柔軟性が高まるためおすすめです。

パーパスムービーの例

エプソンのパーパス

デンソー ブランドパーパス

PILOT’s Purpose 「人と創造力をつなぐ。」

 
 

まとめ

パーパスムービーはコンテンツとして見ると、従来からある「ビジョン動画」や「ブランドメッセージ動画」と同じ流れを汲むものです。

基本的には
(1)企業として伝えたい内容を咀嚼し、
(2)平易でわかりやすいメッセージへと落とし込み、
(3)それを連想させるビジュアルを追加してい

という流れです。

見た目がかっこいい、迫力があるなどのビジュアル面の訴求はもちろん大事ですが、最も大切なのは「想いをカタチにする」というプロセスです。

コンテンツの性質上、内容がどうしても抽象的になりやすいため、伝えたい想いが曖昧だと単に綺麗なビジュアルの動画になってしまいます。

逆に言えば、自社が伝えたいこと・伝えるべきことを明確にし、その想いをメッセージとして落とし込むことができれば、ビジュアルは後から付いてきます。

ご検討の際は、上記の(3)だけでなく(1)や(2)も一緒に考えられるパートナーを選ぶことを意識されてみてください。
ご相談お待ちしております。

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