【展示会レポート】関西ロボットワールド2023

今回は6月8日(木)~6月9日(金)にかけてインテックス大阪で開催された「関西ロボットワールド」のレポートをお届けします。

展示会の概要

本展示会は、急速に発達・発展する注目度の高いロボット・次世代モビリティ産業。本展はロボットや次世代モビリティの開発・導入を促進する専門技術展です。
・第7回 サービスロボット展
・第6回 産業用ロボット展
・第3回 次世代モビリティ展
の3つの展示から構成されています
関西ロボットワールド2023サイトから引用)
 

筆者はこの展示会に過去に何度か足を運んでいますが、インテックス大阪で開催されるものの中では比較的小規模で、来場者もそれほど多くなく、正直に言うと少し寂しい印象がありました。
今回はどうなのか、期待と不安を胸に会場に足を運んでみると、何と受付には長蛇の列が。

想定以上の光景に正直自分の目を疑いましたが、ひとまず列に並ぶことに。
受付をして会場に入るまでに20分ほどかかりました。

会場に入ってみると、この賑わいっぷり。
会場自体が小さいのもありますが、たくさんの方が来場されていて大盛況でした。

展示の方向性

今回の展示は商談目的の「製品やサービスの展示」よりも「最新技術の公開や市場の声収集」の側面が強かったのが印象的でした。

「最新技術の公開や市場の声収集」

例えばこちらはロボット用のロボットの外装や表情のパーツを制作されている会社の展示。
ロボット=無機質な白というイメージですが、使うシチュエーションに合わせて外装を換装することで、「より違和感なく親近感をもって受け入れられうようになる」とのこと。

顔・胴体・腕・足などパーツを細かく設定できる

使用するシチュエーションに合わせてロボット見た目も変わることで、違和感なく受け入れてもらえるのではないか

外装が変わると、無機質な印象がかなり和らぎます

 
こちらはビルや施設の巡回・監視用ロボットのコンセプト。
台車に身長計のように垂直のレールがついていて、そのレールにロボットが装着されています。
足元の台車がビルや施設の決められたルートを巡回して、その内容をカメラで記録するというもので、ポイントは縦移動。
レールをロボットが上下動することによって、台車が苦手とする高さ方向をカバーできるとのことで、エレベーターに載って目的のフロアに行けるそうです。

どことなくボンバーマンを思い出させる愛らしい見た目

このロボットアームでエレベーターのボタンを押したりできるそう

 
こちらは遠隔作業用のロボットのコンセプト。
災害救助や極限環境での使用といったロボットしかできないものではなく、自分自身の分身としてカジュアルに使えるものをイメージされているとのこと。
ロボットと人間が円滑にコミュニケーションを取れるように、人形を模した小さなロボットを配置し、このロボットを通じてリアクションできる仕掛けを施されているそうです。

見た目はよくあるロボットアームですが、先端に小さなロボットがついています

黒い部分がカメラになっていて、遠隔地からでも相手の顔を見ながらリアクションできるそう

 
また、ロボットを業務そのものではなく、販促やPRに活用しようという動きもありました。
台車ロボットの上にデジタルサイネージやモニターを付けて商業施設などを巡回させることで、「動く看板」として活用。
販促効果アップだけでなく、スペースの削減にも役立つとのこと。
会場ではモニターにバーチャルユーチューバー(Vtuber)を映し出し、リアルタイムで通信しながら来場者とコミュニケーションを取っていました。

バーチャルユーチューバーを映し出したサイネージ。1時間毎に別の方にかわっていました

「実機製品の展示」

他の展示会と同様に実際のプロダクトを展示されているブースもありました。

小型のマイクロモーター

ロボットアーム

関節部の動きで蛇のように駆動するロボット

展示ブースの大きさ、展示内容について

見せ方よりも展示内容で勝負

今回の展示会は会場そのもののスペースが小さいこと、出展内容も技術やアイディアのお披露目的な色合いが強いことも相まって、見せ方よりも展示内容で勝負されているブースが多い印象でした。

ただ、来場者が多く活気もあって、この分野が相当注目されていることをまじまじと感じることができました。

動画は製品紹介と実験・試験動画

他の展示会と比較すると動画の活用率は低めで、全体の1/3程度かなといった印象です。

製品の特長やコンセプトを紹介する動画に加えて、実験・試験のようすをおさめたエビデンス系の動画がよく放映されていました。

製品紹介動画

製品コンセプトのアニメーション

実験・試験動画

まとめ

今回の「関西ロボットワールド2023」は今年参加した大阪の展示会の中で最も賑わっていました。

筆者が以前参加したのはコロナ前の2019年ごろ、この4年間で社会やビジネスの構造が大きく変わろうとしていることも相まって、これまで以上に注目される結果になったのだろうと思います。

また、いろいろなブースでお話をお伺いしていて印象的だったのは「人間とロボットの共生」という部分です。

従来、ビジネスにおけるロボット利用と言えば、
・生産ラインの中に組み込んで自動化、生産性工場
・人間が対応できない環境で代わりに仕事をする
などの面が多かったと思います。

しかしながら今回は、「例えばオフィスや工場で人間とロボットが一緒になって働く」「サービス業をはじめとして、今まで人間がやっていた領域をロボットが担う」ことが想定されているものが多く、一緒に働く・暮らしに溶け込むためにいろいろとアイディアをめぐらせていることを感じられました。

来場者の方々が興味津々なようすでブースで話を聞かれている姿がとても印象に残っています。

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