製造業の技術継承

BtoBの製造業の現場は機械による自動化が進み、一昔前と比べると人の手がかかる部分は確実に少なくなっています。大手企業ではスマートファクトリー化も進んでおり、製造工程の「全自動化」と「見える化」によって、より効果的に・効率的に高品質な製品を製造できるようになってきています。
 
そんな機械化が進んでいると言われる製造現場ですが、実際の現場で課題となっているのが「次世代への技術継承」です。
本記事ではそんな技術継承における課題と動画を活用した対策方法について解説します。

結局は「人」が決める

現場の機械化が進んだとは言え、機械が行うのは基本的には「決められたものを正確に素早く作る」ことであり、何をどのように作るのかを決めたり、作ったものを評価したり、トラブルがあった際に臨機応変に対応したりするのは結局のところ「人」になります。
物事を正確に判断し実行するためには、知識や経験、ノウハウが必要不可欠であり、どうしても属人的な要素が強くなります。
これらを見える化し、次世代に滞りなく受け継いでいくことはメーカーにとって重要課題です。

製造業において技術継承が課題とされる理由

どんな分野においても技術継承というのは大きな課題ですが、製造業において特に課題とされる理由を考えてみると、代表的なものとして以下のようなものがあげられます。

技術を持ったベテラン社員の減少

製造現場においては中心的な役割を担っていたのは、高度成長期に入社したベテラン社員(50~60代)の方々です。その方々の多くがこの数年で定年退職となりました。手に職をつけた方々が続々と現場から姿を消し、単純な労働力としてはもちろん、技術やノウハウなどの面でも大きな損失となっています。

技術継承のための教育の負担増

教える側に十分な余裕があれば、マンツーマンでじっくりと指導しても特に問題にはなりません。ですが現在はベテラン社員が減少しているため、時間面や業務負担などの面から教育や指導に十分な余裕を確保することは難しくなっています。
かと言って簡単に書類で済ませたり、内容を簡素化したり、複数人をまとめて指導するなどといった省力化を図ると、本来あるべきレベルの技術継承が難しくなるという側面もあります。

若手社員の仕事観の変化

入社から定年まで長く勤めるといった従来の働き方もある一方で、自身の節目で転職してキャリアアップするという働き方も多くなってきており、経験を積んでスキルを修得する前に辞めてしまうケースも以前に比べて増えています。
やりがいといった意味でも、コツコツと下積みを重ね、先輩の背中を見て覚えるというよりは、できるだけ短い時間で必要とされる技術を身につけ、会社や社会にわかりやすく貢献したいといった考えの若者も増えています。

このように社内の技術継承にかけられる人員的・時間的な余裕が少なくなっているのが現状で、より効果的で効率的な継承の仕組みが必要になっています。
そんな製造現場で導入が進んでいるのが「教育・研修動画」です。

教育・研修動画のメリット

製造業における教育・研修動画のメリット

対面指導や紙媒体に比べ負担が少なく効果が大きい

研修対象が多くなるほど、対面の指導では細かいフォローが難しくなったり、指導する人のスキルによって効果にバラツキが出てしまいます。紙媒体も文章やイラストだけでは細かいニュアンスが伝わらない部分もあるため、それだけで完結するのは難しいです。
動画は環境さえあれば対象の人数に上限はなく、またいくら人数が増えようともコストは基本的に変わりません。
しっかりと使うシチュエーションを考えて作れば、運用後は教育側の負担を抑えつつ効果を高めることができます。

言語を問わず「見て覚える・理解する」ことができる

マンツーマンの指導や紙媒体では、教育対象の国籍が変わると各言語に対応できるスタッフが都度必要になったり、各言語ごとに冊子を翻訳し、印刷する必要があります。しかし、動画の場合は動きを伴って説明できるため、母国語と異なる言語であってもある程度のニュアンスは伝わります。それぞれの言語ごとにナレーションやテロップを準備すれば、言語の壁に阻まれることなく日本国内と同様の効果を期待することができます。
特に複数の海外拠点を持つ企業の場合は、教育コストを大幅に抑えることが可能になります。

VRやARなどとの相性が良く、相乗効果が期待できる

例えばVRを活用すると自分自身の目線で動きを体験することができるようになり、「ベテランの工員がどのように腕や指を動かしているのか」といった細かな動きも別の角度から体験できます。自分自身の動きとも比較しやすくなり、特に技術系のスキル継承で有効とされ導入も進んでいます。
また工場など現場作業においては事故防止のためのコンテンツとしてVR動画で疑似的に危険な状態を体験し、予防を促すといった使い方もされています。

教育・研修動画の活用シーン

モニターやプロジェクターで放映

新入社員や中途社員の入社時研修などには、会議室のモニターやプロジェクターで放映して見てもらうことで複数人へ効果的に訴求することができます。
製品紹介や製造の流れ、安全教育といった座学的な内容では特に効果的です。

タブレットやスマートフォンで確認

タブレットやスマートフォンに研修動画を入れておき、製造現場の数カ所に配置。
普段あまりやらないイレギュラーな作業が発生した際に確認するなどルールを決めておくことで作業ミスや不意の事故等を未然に防ぐことができます。
また、最近では特に重要な個所にはQRコードを機器に貼付、都度端末で動画を確認するなどといった使い方もされています。

社内のイントラネットで共有

社内の共有システムにアップロードしておくことで、気になったタイミングに気軽に見返すことができます。紙のマニュアルと比較してもアクセス性が良く使い勝手にも優れるため、より多くの人に見てもらえる可能性が高くなります。

教育・研修動画の事例

推進工法の概要や仕組みを解説する教材動画

建設系専門学校の講義に活用することを目的とした推進工法の教材動画。専門知識がない学生の方でも理解ができるように、複雑な説明は極力省きつつアニメーションや図表、写真などを織り交ぜて解説することで、推進工法の概要や仕組みをわかりやすく紹介しています。本編は「推進工法の概要」「推進工法の解説」「特殊な推進工法」の3つで構成。また、2分程度の企業紹介動画も合わせて制作し、合同説明会などの採用活動にも対応しています。
 
 

衛生材料の適切な使用方法を実写で紹介するマニュアル動画

消毒剤・洗剤などを扱う衛生材料メーカーが、おもに食品メーカー・工場向けに展開している汚物処理キット商品の使用マニュアルとして企画・制作しました。汚物処理は突発的に起こるものであるため、使用者は事前に研修を受けることで対処できるようにします。また、本商品の導入にあたって、購買担当者の理解向上とこういったコンテンツを準備していることで競合製品との差別化をはかり優位に販促展開を行うというねらいがあります。また、マニュアル動画を初めて制作する際は、画面デザイン・構成要素・撮影パターンをあらかじめフォーマット化することで、以降の同様の製品マニュアル動画を作成するときに、短期間でスムーズに制作進行することができます。

まとめ

例えどれほど優れた技術やノウハウを持っていても、それらが次世代へ引き継がれなければ意味がありません。ものづくりを生業とするメーカーにとって、長年蓄積したノウハウが正しく継承され、その継承されたものをベースに新たな技術を生み、そして製品へと発展させることが理想的なビジネスサイクルとなります。
技術は見て盗むものから、体系的に整理して受け継ぐ時代に変わったからこそ、動画を活用すべきと言えます。

 

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